個人事業主と法人の違い
個人事業主と法人の違い
「個人事業主と法人の違い」について、以下のポイントをさらに深掘りして解説します。
1. 設立手続き
個人事業主
開業届を税務署に提出するだけで開業できます。
必要書類はシンプルで、「開業届」と必要に応じて「青色申告承認申請書」のみです。
費用はほぼゼロ円で、即日開業可能です。
法人
定款の作成と認証が必須です(合同会社の場合は公証役場で認証は不要)。
登記手続きを行うため、法務局への申請が必要です。
必要書類には以下が含まれます:
定款
印鑑証明書
登記申請書
登記完了までに数日~1週間かかる場合が多いです。
2. 設立費用
個人事業主
開業にかかる費用は基本的にゼロ。法的な手続きに関わる費用は発生しません。
ただし、事業に必要な道具や設備の購入費用は考慮が必要です。
法人
株式会社の場合、設立費用の目安:
登録免許税:資本金額に応じて15万円以上。
定款認証費用:公証役場で約5万円。
合計で20万~30万円程度が一般的。
合同会社は株式会社より設立費用が安く、10万円前後で設立可能です。
3. 信用度
個人事業主
信用度は法人に比べて低い場合が多いです。
法人との取引が一般的な業界では不利になることがあります(例:建設業や金融業)。
法人
信用度が高く、法人格で契約を行えるため、取引先や金融機関との関係構築がしやすいです。
資金調達の際も法人の方が優遇される傾向にあります。
4. 税制
個人事業主
累進課税が適用され、所得が増えると税率が上がります(最高税率45%)。
青色申告を利用すれば、65万円の控除が受けられます。
損失の繰越期間は3年です。
法人
税率が概ね一定(約30%程度)。
損失の繰越期間が10年と長く、利益変動のある事業に有利です。
経費にできる範囲が広く、社宅や役員報酬などの節税手段が多彩です。
5. 責任範囲
個人事業主
無限責任を負います。債務が発生した場合、個人の全財産を使って返済する必要があります。
最悪の場合、自己破産が必要になることも。
法人
有限責任で、出資額を超える責任を負いません。
ただし、代表取締役が金融機関からの借入に対して連帯保証を行う場合は、個人の財産にも影響が及ぶ可能性があります。
6. メリット・デメリットのまとめ