第4章            カフェをデザインする


内装の仕上げ

プレオープンイベントのフィードバックを受けて、内装の最終調整に取り掛かることになった家族。壁のデザインや家具の配置が固まりつつある中、春男が提案した。

「エチオピア時間とエチオピアンカレンダーを取り入れてみないか?異文化を体験するカフェとして、これ以上ない特徴になると思う。」

夏子が興味津々に聞いた。「どうやって見せるの?」

春男は10年前の旅でエチオピア時間に触れたエピソードを語った。「エチオピアでは1日の始まりが朝6時。時計の針は日の出を基準に進む。そしてカレンダーも13ヶ月あって、最終月は5日(うるう年は6日)なんだ。グレゴリオ暦より7〜8年遅れているのは、キリスト生誕の年の解釈が違うからだ。」

「すごい話ね!それを内装で表現できたら、観光客にも大ウケするわ」と夏子。


生成AIを活用してデザイン案を練り、次のようなアイデアを採用することにした。


プレートの内容(実際の設置文):

エチオピア時間とカレンダー
『エチオピアでは1日の始まりが朝6時。時計の針は、日の出とともに進みます。また、13ヶ月のカレンダーを使用し、新年は9月に訪れます。現在のエチオピア年号は2017年で、世界の多くの国より7〜8年遅れています。この独特な時間感覚は、自然との調和と文化的な独自性を象徴しています。』


夏子がプレートを見て感心し、「この説明があるだけで、エチオピアの文化がぐっと身近に感じられるわね」と微笑んだ。

あき子とふゆ子は設置されたカレンダーと時計を眺めて、「これ、どうやって読むの?」「エチオピア時間の午後3時は普通の午後9時だって!」と楽しそうに話していた。


家具と装飾の選定

翌日、家族は地元の職人の工房を訪ね、エチオピア文化を反映した家具を選ぶことにした。色鮮やかな織物や木彫りの家具が並ぶ中、春男は生成AIにアイデアを尋ねた。


プロンプト: 

「エチオピア文化を感じさせる家具デザインを提案してください。」


生成AIの回答:


職人の説明を聞いた夏子は、カラフルな織物が張られた椅子を指差し、「これ、絶対にカフェの雰囲気に合うわ!」と提案。さらに、自然素材の竹を使った照明器具を選び、店内に温かみを加えることにした。

これらの家具が配置され、カフェの空間はエチオピアの伝統と日本のミニマリズムが融合した独特なデザインとなった。


メニューの洗練

カフェの雰囲気が整う中、家族はメニューをさらに洗練させるために試作を繰り返していた。

「このコーヒーに合うスイーツをもっと工夫したい」と夏子。

生成AIに尋ね、エチオピアと日本の要素を取り入れたスイーツのアイデアを募ることにした。


プロンプト: 

「エチオピアのコーヒーに合う、日本とエチオピアを融合させたスイーツ案を提案してください。」


生成AIの回答:

「抹茶クリームとエチオピア風パンケーキの組み合わせ、試してみましょう!」と夏子が目を輝かせた。

試作したスイーツは家族やスタッフの間で高評価を得て、メニューの目玉となることが決まった。


プロモーション計画の策定

オープンを目前に控え、プロモーションが次の課題に。春男は生成AIを活用し、観光客と地元住民を引き付ける方法を検討した。


プロンプト: 

「観光客と地元住民を対象にしたプロモーション戦略を提案してください。」


生成AIの回答:


「まずはSNSで『エチオピア時間を体験』をテーマに写真投稿キャンペーンをやりましょう」と夏子が提案。カフェの特徴的な時計やカレンダーを背景にした投稿が話題を呼び、多くの人々の関心を集めることに成功した。


カフェの開店準備完了

内装と家具、メニュー、プロモーションすべてが整い、いよいよオープンの日を迎える準備が完了した。

外には「Café Harmony」と書かれた看板が掲げられ、エチオピアの伝統模様が店の雰囲気を彩っている。

あき子とふゆ子が店内を見渡し、「お父さん、このカフェ、本当に素敵だね!」と声を揃えた。

春男は微笑みながら、「みんなで力を合わせて作ったカフェだから、きっとたくさんの人に愛される場所になるはずだ」とつぶやいた。


第4章の締めくくり

第4章では、「Café Harmony」の内装や家具、メニューにエチオピアと日本の要素を取り入れ、異文化交流の拠点としての個性を強調しました。また、エチオピア時間とカレンダーを中心とした内装デザインにより、カフェがさらにユニークな空間に進化しました。次章では、いよいよオープンの日の様子が描かれます。 


⇒第5章へ